気のせいだろうか。
いつも乗っている電車が、普段は5~8分程度で停車するのに先ほどから20分以上停車せず走り続けている。
乗客は私以外に5人いるが、全員寝ている。運転席にはカーテンがかかっていて運転手も車掌も見えなかった。
電車は1時間ほど走ってようやく停車した。どうやらここは無人駅のようだ。
私以外の乗客は寝たまま目を覚まさない。妙に薄暗い駅で気味が悪いが、私はこの電車から降りた方が良いのだろうか。
私1人では判断できなかった為、インターネットの掲示板で質問してみた。
私
「現在こういう状況なのですが、降りた方が良いでしょうか?」
掲示板民
「ずいぶん不思議な状況だね。駅の名前は?」
えっと、駅の名前は……
私が駅の名前を確認しようとすると電車のドアが閉まり始めて、つい反射的に電車から降りてしまった。

きさら…… ず……?
私
「駅の名前はきさらず駅です。もう電車から降りてしまいました。」
掲示板民
「とりあえず友達とかに連絡して迎えに来てもらった方が良い。」
私
「分かりました。ありがとうございます。」
私
「あの、友達に頼んで迎えに来てくれるよう頼もうとしたのですが、よく考えたら私には友達がいません。」
掲示板民
「とりあえず線路沿いを歩けば帰れるんじゃない?」
その手があったか。焦りすぎて気付かなかった。
私は線路沿いを歩きながら友人からの連絡を待つ事にした。
掲示板民
「ちなみに、駅の周りには何かあるの?目印になるかも。」

私
「目印になるかは分かりませんが、こんな建物がありました。」
掲示板民
「その写真、もうちょっとアップに出来ますか?」

私
「こんな感じです。」
掲示板民A
「ハローワーク……?」
掲示板民B
「なんだか邪悪な気がする!」
掲示板民C
「走って逃げて!」

私は走って逃げた。
10分後。もう大丈夫だろうと思い、再び掲示板を確認した。
私
「線路沿いの道を走って逃げました。私はこのまま進み続けて大丈夫なのでしょうか?」
掲示板民
「何かあった時の為にATMで3万円くらい引き出した方が良いかも。」

私
「ちょうどATMがあるので3万円引き出してます。」

私
「引き出しました。」
掲示板民A
「もしかして3万じゃなくて30千って入力した?」
掲示板民B
「そんな事したら財布がパンパンで閉まらなくなるだろ!」
掲示板民C
「走って逃げて!」

私は走って逃げた。
……ハッ!
しまった!やってしまった!

夢中で走っているうちに線路沿いの道から外れてしまった!
ここは一体どこなのだろう。薄暗く人気のない道だ。
もしかしたら私はこの世ではない場所に来てしまったのではないか、そんな気さえしている。

しばらく歩くと『みまち通り』という商店街に辿り着いた。
私
「線路沿いの道から外れてしまって、現在みちま通りという場所にいます。」
掲示板民
「線路沿いの道に戻った方が良いと思います。」
私
「すみません、信じてもらえないかもしれませんが、怖くて後ろを振り返れません。線路沿いの道に戻りたくても戻れないんです。」
掲示板民
「絶対に振り返っちゃダメ。もう進むしかない。」

私
「少し進んだら立ち食い蕎麦屋がありました。」
掲示板民A
「入ってみたら?」
掲示板民B
「絶対に入らないで!」
私
「実はもう走りすぎて空腹で限界を迎えそうです。でも人生で一度も立ち食い蕎麦屋に入った事が無いのでシステムが分からないんです。」
掲示板民C
「じゃあ別の店を探そう。」

店の前を通り過ぎながら店内を覗くと、客が全員座って蕎麦を食べていた。
もしかしたら私は本格的に恐ろしい場所へと迷い込んでしまったのかもしれない。

空腹で倒れそうになりながら必死に歩いた。
すると、私はある物を見つけて、すぐに掲示板に報告した。
私
「あの、ある物を見つけたんですけど。画像貼りますね。」
掲示板民A
「どんなの?」

私
「60分100円の駐車場を見つけまして……」
掲示板民B
「それがどうしたの?」
私
「すみません、メタ発言をします。この記事撮影をするために駅の近くの駐車場に車を停めたんですけど、そこは40分200円なんですよね。」
掲示板民A
「え?それメチャクチャ損してね?」
掲示板民B
「40分経つ前に急いでこっちの駐車場に移動しろ!」
掲示板民C
「走って出庫して!」

私は走って出庫しに行った。
しかし、直後私は出庫どころではなくなってしまった。

突然カメラが暴走して言う事を聴かなくなったのだ。
画面にエラーメッセージが出たが、すぐに消えてフリーズしてしまって解決法は分からない。
このカメラはまだ買って数ヶ月で、動作がおかしくなった事は一度も無い。
それなのに心霊現象を茶化すような記事撮影をした日にカメラがフリーズした。それが意味する事とは一体……
ただ、心配はいらない。
既に写真は100枚近く撮ってある。つまり、ここでカメラがフリーズしてもデータさえ読み取れれば何不自由無く記事が書けるのだ。
先ほど貼った写真はもちろんの事、他にも神社の鳥居や街中に設置されていた石像の写真など、雰囲気のある物などもしっかり撮ってある。
これで素材に困る事は無い。

流石に少し怖かったが、私はそのまま帰宅した。

こんばんは、のぎへっぺんです。
ここからは「私」ではなく、素の「のぎへっぺん」です。

一応先ほども説明した通り、カメラがフリーズしてもデータさえ読み取れれば、それで記事を書けるんですよね。
なので、カメラからデータを読み取ってみました。
すると、
神社の鳥居以降に撮った写真が全て消えていたんですよね……
真相は現在も不明です。
以上、木更津駅周辺にて。
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